陰嚢湿疹のかゆみは最悪なのに「かゆみ」そのものがよくわかっていない
陰嚢湿疹でもっともつらいのは股間のかゆみです。ところが「かゆみ」そのもののメカニズムははっきりわかっていないそうです。かゆみというのは皮膚の異常感覚だそうですが、触覚、圧覚、温度覚、痛覚などと違って、かゆみの掻痒受容器もかゆみ神経もいまだに確認されていないそうです。
「かゆみ」と「痛み」は違う
かゆみは「痛み」の弱い感覚である、と理解されていたこともあるようです。ところが最近ではかゆみと痛みは脳で別の処理をしていて、かゆみと痛みは別の感覚であるということがわかってきています。やっぱりかゆみはなんなのか不明のままです。
かゆみ物質の悪循環
わかっているかゆみのメカニズムのひとつに、ヒスタミンという物質の影響があります。ヒスタミンは皮膚にある肥満細胞という細胞から分泌され、痛みやかゆみを知覚する神経に作用してその刺激がかゆみとして脳に伝えられます。
困ったことに、その刺激によって神経ペプチドという神経伝達物質を放出させます。この神経ペプチドがまた、肥満細胞を刺激しヒスタミンを分泌させるのです。まさに悪循環です。
陰嚢湿疹とかゆみ
「かゆいから搔く」といった刺激は、知覚神経を刺激して神経ペプチドを放出させ、さらにまたかゆみ物質ヒスタミンの分泌を促してしまい、かゆみのスパイラルが発生してしまいます。
このスパイラルのきっかけとなるかゆみを起こさないようにする、もしくはなんとか乗り越えること、これが陰嚢湿疹(陰金)を治すためのまず第一歩かもしれません。